海のもっと深いところへ

みなさま、年の瀬いかがお過ごしでしょうか。管理人です。
2017年もCANTUS ANIMAEを応援頂き、誠にありがとうございました。
すでに次のステージへ向かって全力疾走している私たちです。

2017年もいろいろなことがありました。

1月のスタートには、雨森先生が誕生から20年を迎えようとしているCAに向けて、これからどんな合唱団になっていくべきか、今足りないものは何か、お話してくださいました。そしてその内容でもある「新・CANTUS ANIMAEはどこへ行く」を当HPに掲載させていただきました。
4月には、団員のあんひろさんが「智恵子の手紙」(CANTUS ANIMAE 20th 演奏会初演)にて、TIAA全日本作曲家コンクールに入賞され、その入賞者披露演奏会に出演させていただきました。
6月には、第一生命ホールにて、CANTUS ANIMAE 21st 「つながる魂のうた vol.2」を開催。地球へのバラードを初演した団員2人と共に歌い、また、「廃墟から」を作曲された信長貴富先生にもお言葉をいただくことができました。当日は雨天だったにも関わらず、沢山のお客様に足をお運びいただき、本当にありがとうございました。
7月には、岐阜のサラマンカホールにて、雨森先生が音楽監督をされている「うた・ふぐるま」さんの賛助出演として、モーツァルトのレクイエムを歌わせていただきました。
9月には、東京都合唱コンクールにて、「子どもは……」と「交聲詩 海」を演奏させていただき、全国大会への切符をいただくことができました。

そして11月、第70回全日本合唱コンクール全国大会という節目の大会において、上記2曲を演奏させていただき、文部科学大臣賞と2018年全国大会へのシード権という大きな栄誉をさずかることができました。結果ももちろん大事ではありますが、この演奏が、20年、30年後の未来の約束になっていることを祈っています。

さて、そんな2017年、CA団員Fちゃんの全国大会に寄せた感想記事にて、締めくくりたいと思います。寒い日が続きますので、みなさまお体にお気をつけて、良い年の瀬をお過ごしください。

海のもっと深いところへ

「こうせいし うみ」、出会った時は読み方すらよく分からなかったこの曲が、今年のCAの自由曲でした。

CAとしては以前も歌ったことがある曲でした。しかし、難曲と評されるだけあり、勢いで歌ってしまうことが多かったように思います。そんな曲を、今年の自由曲に選んだのには理由がありました。それはこの曲の誕生からちょうど30年という節目の年だったから。しかも、今年の全国大会開催地は初演の地と同じ東京。さらに、審査員名簿には、初演指揮者の栗山先生のお名前。勝手に運命を感じ、使命感に背中を押されました。「今度こそ、いい演奏をしよう。」私たちは並々ならぬ気合いを入れて、コンクールシーズンに入りました。

CAの素敵なところは、様々なバックグラウンドを持つ人が集まっているということ。そんな人たちが「三善先生の思いに近づきたい」「いい演奏がしたい」という共通の思いに向かって、「海」を深めていこうとしました。和声分析や歌詞解釈はもちろん、初演の演奏会のパンフレットを家から引っ張り出してきた人、宗左近先生の詩を訪ねて旅行をした人、実際に海に行って「海」を感じてきた人、詩に登場する「青い薔薇・黄色い薔薇・赤い薔薇」を買い求めた人・・・。こうした様々な試みが、CAならではの深み(雑味?)になりました。それぞれの方法で「海」に近づこうとしました。

ここで課題曲の話も。「せっかくなら同じ三善先生作品を」ということで、「子どもは……」を選曲しました。歌詞解釈のヒントになりそうな映画を鑑賞したり、練習にきた団員の子どもに触れて思わず頬を緩ませたり。課題曲の並びをパートごとに固まらないバラバラオーダーにして、各チーム、耳を開いて他パートを聞き、自発的な歌を目指しました。

音楽を深める試みはまだまだ続きます。全国大会1週間前の練習では、「子どもは……」が入っている組曲「五つの願い」を全曲通して流れを確認。また、「海」と同じく宗先生・三善先生によって作られた高校の校歌の初見大会をして、根底にある思いを確認しました。

そして、全国大会本番。「子どもは……」は、それぞれのチームが目の前に子どもがいるような気持ちで、大切に言葉・ハーモニーを紡ぎました。「海」は、始原の海から「夢の炎の炎の花」まで、団名の通りの「魂の歌」を歌いました。演奏後、観客の皆様から寄せていただいたあたたかい拍手が本当にありがたかったです。

表彰式での「CANTUS ANIMAE ゴールド金賞」「文部科学大臣賞 CANTUS ANIMAE」というアナウンス。ご縁に心から幸せを感じました。表彰式の時に挨拶をされた先生や来賓の方々が異口同音におっしゃっていた「平和だから合唱ができる」という話。海のフィナーレを思い出しながら深く頷きました。

ああ海
夢の炎の炎の花
地球よ 生命よ 世界よ 夢の炎よ

この年に、この場所で、この仲間と歌を歌えるということ。いつもお世話になっている先生方、応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

飲み会でのひとこま

ところで。実はまたまた、「海」を演奏する機会が予定されています。来年2018年6月に熊本で行われるMODOKIとのジョイントコンサートです。歌い込むほどに新たな発見があり、宗先生・三善先生の思いを感じ、「もっと表現したい!」と思えるこの曲。熊本で、より色濃い「海」を披露できたらと思います。

私たちはもうすっかり、「海」の深みにはまってしまったようです。
これからも歌い継ぎ、その深淵を目指していきます。