合唱初心者のための「五つの童画」~解説その5~

今回は、合唱初心者のための・・・と書きつつも、落穂ひろい的、完全、マニア予備軍のための解説です(笑)。

合唱組曲「五つの童画」
作曲:三善晃 作詩:高田敏子

もっと楽しむための(マニアの)ポイント

1.詩の解釈についての補足事項
演奏会のパンフレットに掲載される予定が、現段階ではわかりませんが、
高田敏子さんのこの「五つの童画」の詩には、高田敏子さん自身による(訳詩ではない)英語の詩がついています。

楽譜の最後に、それは掲載されているのですが、
韻を踏んだ、きちんとした英詩で、音律的に美しいのです。
たとえば、1曲目の「風見鳥」下記の部分
————–
あっちだよ
あっちむき
こっちだよ
こっちむき
————–
英詩だとこうなります。
————–
“Turn that way.”
He turns that way.
“Turn this way.”
He turns this way.
————–

こんな具合です。
英詩は英詩で、とても味がある仕上がりになっています。

また、この詩、日本語では「そのくらいはわかるよね?日本人だもん」って感じに、
解釈をゆだねられちゃっている部分も、はっきり意味が書かれているので、
内容理解の手助けにもなります。

たとえば、3曲目「やじろべえ」
—————–
影はできたが
影ばかり
やじろべえはいない
影ばかりのやじろべえ

やじろべえはいないのです
・・・
—————-
この部分の英詩は、
—————-
The shadow is born-
Nothing but the shadow-
Yajiro-be is gone.
Notheing remains but his shadow.

Yajiro-be is lost
—————–

同じ、「いない」という単語も、英語の場合、使い分けているんですよね。

gone のあとに、lostと来ると、ああ、もしかして死んじゃったのかな?とか。
両方、同じにしないあたりのセンスも、強く感じます。さすが~、ポイントですよね。

同様に、ピリオドじゃなくて、-になっているあたり、この後に、どんな文章が続くんだろう?と思わせる。
それとも、余韻?・・・

5曲目「どんぐりのコマ」
これには、とにかく、たくさん「!」が使われています。

——————-
いちばん大きなどんぐり行け

Biggest acorn, go!
——————-
こんな具合です。
命令形で、Go! the biggest acornじゃないのね?とか。

Biggest acorn, と、カンマで呼びかけといて、「go!」かあ、とか。

また、この曲に限らずなんですが、引用符の位置も、すごく大事なんです。
ここは、会話か~、とか。

段落を1段落としてある部分などに注目するなどすると、とても面白かったりします。

え~・・・だんだんと、団員向けの啓蒙Blogになってきたところで、
次回に続きます。

(次回で、五つの童画は終了し、1st「天使の構図」に続きます!!」)

文責:芳賀

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