今さらシリーズVol.6 DurとMoll 文責:はじめ



 Durは「ドゥア」、Mollは「モール」と読みます。
 Durとは本来の意味は「長調」、Mollは「短調」です。バッハのロ短調のミサをh-moll「ハーモール」と呼ぶように、通常はその調の基本の音となる音名と組み合わせて用います。ですから、ハ長調のことは、C-dur「ツェードゥア」といいます。

 この意味から派生して、それぞれの調の三和音を意味することもあります(実際にはこちらの意味で使われることが多いですが)。たとえば、Cの長三和音(Cを基本の音とした長調の和音、すわなちドミソの和音)をC-dur、Cの短三和音(Cを基本の音とした短調の和音、すなわちドミ♭ソの和音)をc-mollと呼びます。

 「Durの第三音」とか「Mollの第三音」というような言い方をされることがありますが、これはそこで鳴っている長(短)調の和音の第三音(基本となる音から数えて3つめの音)という意味です。


 蛇足ですが、この第三音でその調が長調か短調かが、ほとんど決まってしまうので、この音を正しく鳴らすのは重要な要件となります。言うまでもなく、「Durの第三音」は低め、「Mollの第三音」は高めに鳴らすのが、純正律では必須となります。

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