合唱初心者のための「五つの童画」~解説その3~

「合唱初心者」のための・・・???これが?と
つぶやきをいただいている、当企画、第三弾です!!

・・・あくまで、「うっかりCAの演奏会を聴きに来ちゃおうかと思ったり、
わざわざCAのblogを読んじゃおうかな?と考えちゃうよな『初心者』さま用の記事です。
どうぞ、よろしく!

さて、
合唱組曲「五つの童画」
作曲:三善晃 作詩:高田敏子

この作品を楽しむためのポイント3つ目です。

<高田敏子さんの詩と三善先生の曲作りについて>

「五つの童画」。童画というのだから子供向け?と思う人も多いでしょう。
しかし、この作品で子供に語らせている風景は、とても残酷な悲劇・悲喜劇が五つです。

でも、合唱作品になったとき、その形は変わるので注意しましょう。
1曲目から4曲目の4つの悲しみやあきらめ、絶望に対して、5曲目には希望が詰まっているのです。
そこには、ちょっとした秘密があります。
合唱なので、もちろん、全部の歌詞を全部のパートが歌うことはないですし、掛け合いで、一部分ずつ各パートが請け負ったり、何度も繰り返したりはするのですが、
1曲目から4曲目の語順はほぼ、元の詩の語順どおりになっているのに対し5曲目は違う作りになっています。
ここが、とっても重要ポイント!です。
いったん、言葉をバラバラにして、そして、他の4つよりも詩に自由に作曲されていることがわかります。

5曲目曲の最後は「まわれ 雲と風 子供 輪になって まわれ 樫の実 輪になって まわれ まわれ まわれ 輪になって まわれ」
元の詩の順番とは、全く違うのです。
三善先生は、あえて詩の語順を入れ替えて使って、絶望の曲を、希望と救いの曲に仕立て直しているのです。

「五つの童画」は、作曲家三善晃の目を通して、作詩家高田敏子の作品が、合唱音楽として違う作品に生まれ変わっていることが、
本当に大事な大事な点なのです。
ですから、もし、ご自身でこの曲を歌うときにも、「詩の解釈」は単独でやらない方がよい、と思います。
詩と曲が不可分にからみあっているところが、この作品が面白くて難し点なのです。

ですから、演奏会当日は、パンフレットに書かれた詩は、さっと目を通す程度にとどめておきましょう。
絶対ダメなのは、演奏聴きながら、パンフレットの詩を見て、どれどれ、どんな詩かな?っていうもの。
これだけは、絶対にやめた方が、本当の意味でこの曲を楽しめると思いますよ。

「曲を聴きながら、日本語を味わう」のが、この曲の醍醐味といえましょう。

合唱マニア予備軍のための・・・が正しい名称という話も、ますます真実味を帯びてきたところで、
次回につづきます!

(文責)Sop.芳賀

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