12/21聖母マリアのカンティクム 団員による演奏会紹介5

こんにちは、H鹿です。
私もちょっと演奏会の紹介を。

今回演奏する曲は、「第4旋法による8声のカンティクム」「第1旋法による8声のマニフィカート」といったタイトルがついています。
カンティクムとは詩編以外の聖書から採られた韻文詩による聖歌のことで、聖母マリアのカンティクムというとマニフィカートのことを指します。
ですから、今回は様々な声部によるオール・マニフィカートプログラムということになりますね。

では、頭についている第1旋法、第4旋法は何かというと、教会旋法のうちどの旋法に基づいているかを示しています。本日は5曲のマニフィカートを演奏しますが3曲が第1旋法、2曲が第4旋法です。
教会旋法は第1から第8まで8つあり、グレゴリオ聖歌のマニフィカートにはそれぞれの旋法、8通りの節回しがあります。パレストリーナは8つの旋法すべてのマニフィカートを作曲しています。
エレディアは、そのうち2つの旋法に曲をつけたわけです。この2つがお気に入りだったんでしょうね。
(もしかしたらエレディアは他の旋法でも作曲していたかもしれません。とすると2つの旋法を選んだのはプログラムを決めたメディオ・レジストロ古橋さんの趣味なのかもしれません)

17世紀の文献によると各旋法には、性格や星座や人間の体質が対応づけられていました。
第1旋法は、太陽に分類され、人間の粘液質を支配し、粘液質が原因の怠惰、憂鬱、混乱を追い払う。神、太陽、美などに言及する感情を表すことができる。
第4旋法のほうは、水星に分類され、胆汁質を押える。教唆、静寂、嘆願、弛緩の感覚はこの旋法であらわされなければならないということです。
なるほど、エレディアがこの2つの旋法で作曲した理由がわかるようです。

ちなみに、第1旋法は、たくさん「ラ」をうたって、「レ」で終わる節回し。
第4旋法は、たくさん「ラ」をうたって「ミ」で終わる節回しとなります(乱暴な説明ご容赦)
エレディアの時代になると、旋法といっても随分和声的になっています。第4旋法はAm(コード)で始まり、Eで終わるので、日本人好みの和声進行なのではないでしょうか。

カンティクムは、マニフィカートのテキストから1部を抜き取って作曲されています。
曲が付けられなかった部分は、今回演奏会はグレゴリオ聖歌で演奏いたします。第1旋法の曲では第1旋法のグレゴリオ、第4旋法の曲では第4旋法のグレゴリオを歌いますので、2つの違いもお楽しみください。

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聖母マリアのカンティクム
~Medio Registro × CANTUS ANIMAE~

前売り券のお申し込みはこちらからどうぞ。

日時:2014/12/21(日)
開演:14:00 (開場:13:30)
会場:大和田さくらホール(渋谷)
入場料:一般4,000円(前売り 3,500円)

S.A.de エレディア:第1旋法による6声のカンティクム
S.A.de エレディア:第4旋法による8声のカンティクム
S.A.de エレディア:第1旋法による8声のマニフィカート
S.A.de エレディア:エンサラーダ
J.B.J カバーリョス:パッサカーリョス

出演:
指揮:雨森文也
器楽 メディオ・レジストロ
Rec:古橋潤一、細岡ゆき
Vn:川久保洋子、小野萬里
Va:天野寿彦
Vc:西澤央子
Lu:高本一郎
Org:能登伊津子
Perc:岩村茜
合唱:カントゥス・アニメ

#番外
~飲み会Photo:自主練後、雨森先生も一緒にいつものサイゼリアで一枚~
受胎告知の江をバックに一枚