【振り返り】2021/12/25 Monthly Concert 『越境するアンセム』『鉄道組曲』

2021年12月25日(土)に実施されたMonthly Concertの振り返り記事を、CAメンバーのH本が執筆しました。当日は16名もの方々にご参加いただき、とても楽しい時間を過ごすことができました。ご参加いただいた方々、本当にありがとうございました!

振り返り記事、ぜひご一読ください。


テノールのH本です。
12月25日(土)に行われたマンスリーコンサート(以下MC)について、若干のエピソードを添えて報告いたします。

11月末にコンクールも終わり、

H本
無事にコンクールが終わって良かった。まあ、今年の年末年始くらいはゆっくりできるか。

そう思っていたある日、団からこのようなメールが届きました。

CAメーリス
久しぶりにMCやります。12月25日に信長貴富先生の作品で『越境するアンセム』と『鉄道組曲(6曲)』、そして翌年1月9日は、シュッツ、バッハ、ブラームスの作品で全7曲です。各自楽譜を調達して、譜読みして、当日は歌えるようにして来てね。
H本
なに、この相変わらずの無茶振り。歌ったことがあるのはブラームスの1曲しかないぞ。それにしても、MCやるのか。久しぶりだな。

MC、それはいつ何の曲で始まったのか覚えていない。有力な記憶は、2011年の団員ソロコンサート(神奈川県のホールを借り切って、団員全員が平林先生のピアノでソロ曲を歌った)での演奏を聴いて、

雨森先生
なんだ、みんなソロも歌えるじゃないか。

と思った雨森先生がこう言ったのだ。

雨森先生
通常練習の時間内で演奏会をしよう。各自譜読みして来て、レッスンして、最後に観客はいないけど演奏会をする。曲目とソリストは追ってお知らせします。

ついつい質問した。

H本
これは、最近演奏会やコンクールで歌った曲でっしゃろか。
雨森先生
それはありません。
H本
では、各自譜読みとはいっても、通常練習で多少の音取りとかはしはるのですか。
雨森先生
それもありません。
H本
雨森先生がドSだということは分かった。しかしこれはどんなことになってしまうのだろう。まあ、ソリストはどうせパートリーダーがやるのだろうな

と思っていると、また団からメールが。

CAメーリス
楽曲はモーツァルトの『戴冠ミサ』になりました。H本さんはHさんと一緒にKyrieのソロやってね。
H本
ホントですか!

そして会社の帰りに練習場で2時間半くらい合わせて、ピアノ伴奏で全曲歌ったのでした。そして思ったのでした。

H本
終わってみると楽しい。

と。

その後、

雨森先生
今度は髙田三郎の『わたしの願い』を歌うから、髙田先生の楽曲への理解を深めるために『ひたすらな道』『水のいのち』『イザヤの預言』各組曲を3ヶ月連続のMCでやります。
雨森先生
ブラームスの『ジプシーの歌』を演奏するので、ブラームスへの理解を深めるために『ドイツレクイエム』を歌いましょう。
H本
いや、ちょっと待って。どっちがメインなの?

そしていつからか、

雨森先生
団員以外にも参加者を募集するから、皆さんに喜んでいただけるよう頑張ってね。
H本
なんという。

頑張って自主練しました。組曲を歌えるようにしてくるというのはなかなか大変です。それでも、雨森先生の指揮で平林知子先生と野間春美先生のピアノでのMCは、それはそれは達成感を得られるのです。


さて今回のMC当日。
会場となる神奈川公会堂へ行くと、コロナで休団している懐かしい顔。更に福井、名古屋、なんと鹿児島からも参加者が。この皆さんのためにもいい演奏をしなければ。
今回のお題の『越境するアンセム』と『鉄道組曲』はどちらも音源が少ないので、どんな音楽になるのかよくわかりません。レッスンの手順は私の記憶ではこんな感じでした。

まず通す。歌えているとは言えないが、楽曲の流れを理解する。

次に制作者や作曲家の前書きを読み合わせる。この楽曲がどのような背景をもとに着想され、どのような経緯を経て完成したのか。作曲家は数ある言葉からなぜこの言葉を選んだのか。そして作曲家はこの言葉を使って聴き手に何を伝えたいのか、を理解しようとします(なかなか難しいですが)。

そしてまた歌う。言葉に対する理解が少し進んだだけで音色が変わって来る。フレーズも出来上がって来る。先生は時々音楽を止め、我々に「作曲家はここで言葉を伝えたいのか音を聴かせたいのか。」「ここで躍動感を出すためにどのような音作りをしているのか。」「この曲ができた背景を考えると、ここはどう歌うべきなのか。」などと問いかける。そして、答えを持っているパートを歌わせたり、ピアノの演奏だけを聴かせて、理解を深めさせる。個人個人は音を取れていなくても、楽曲が持つエネルギーが短時間で引き出され、我々がそのエネルギーを実感する。
最後の休憩で各自がこの楽曲をどう歌おうかとイメージし、最後に一期一会のメンバーで渾身の演奏をする。

MCが終わると頭はくたくた。またCANTUS ANIMAEは6時間立って練習するので、身体もくたくた。でも本当に楽しいMCでした。

しかし、ここで次のMCまで2週間しかないという現実があります。
とりあえず来年になったら準備を始めようかな。などと考えながら、この文章を書いています。

ではでは皆様、良い年をお迎えください。